歯周病ってどんな病気? 予防するにはどうしたらいいの?(上)

今や日本人の多くの人が罹患していると言われる歯周病。 

歯周病の診断基準の一つに、歯と歯茎の溝である”歯周ポケット”の深さが正常の3ミリではなく、4ミリ以上になっていることがあげられます。 

 

令和4年の歯科疾患実態調査では25~45歳あたりまででも約30~35%、65~74歳は最も高い56.2%、75歳以上では56.0%の割合で4ミリ以上の深い歯周ポケットを有するという結果がでました。 

今や生活習慣病であり、国民病の一つである歯周病ですが、どんな症状でどんな進行をしていくか知っていますか? 

 

今回は歯周病はどんな病気かについて解説していきます。 

 

歯周病は細菌感染症であり、生活習慣病 

 

歯周病とは、歯茎や骨など歯を支える周囲の組織が歯周病菌によって侵される病気です。 

歯周病は大きく分けて歯肉炎と歯周炎があります。歯肉炎では歯茎のみに炎症が生じ、歯周炎では歯を支える組織全体に炎症が生じます。 

歯周病菌はお口の中の常在菌の一つでもあるのですが、お口の中の衛生環境や、免疫力、生活習慣などの影響で細菌数が増えると歯周病を発症させ進行していきます。 

 

歯周病は様々な原因によっておこる 

 

歯周病の主な原因はお口の中の歯磨き残しにあります。 

糖の入った飲食を行うと歯垢(プラーク)と呼ばれるネバネバした物質が歯の表面にくっつきます。これは細菌の塊で、歯磨きによって落とす必要があります。 

この歯垢1mgの中には約10億個の細菌が住みついていると言われ、この細菌がむし歯や歯周病の原因となります。 

この歯垢は磨き残しによってしっかりと取り除けなければ約2週間程で硬くなり、歯石と言われる石のような物質に変化し歯の表面に付着します。これは歯磨きでは取り除くことができません。この歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けて進行していきます。 

 

また、歯周病は細菌的な因子だけではなく、ストレスや不規則な生活、喫煙などの生活習慣や、歯並びや不適切な被せ物、噛み合わせの異常なども歯周病の進行に関係します。 

 

歯周病を予防するためにはどうすべき? 

歯周病予防を行うために一番重要なことは、お口の中の細菌の数と質のコントロールです。 

 

(後半へ続く)