歯磨きが大切というけれど、磨き残しがあると何が悪いの?

皆さんは歯磨きしないと虫歯になるよと言われてきたと思います。

なんとなく歯磨きしなければと思っている人は多いと思いますが、磨き残しがあるとどう悪いのか知っていますか?

 

歯磨きで落とさなければいけない”プラーク”

 

歯磨きの目的は、ブラシで”プラーク”というネバネバの細菌の塊をこすり落とすことにあります。

プラークは排水溝のぬめりと同じで、ネバネバしているためゴシゴシしないと落とせません。

 

プラークは細菌の塊だと書きましたが、具体的には1mgのプラークに、約10億個もの細菌が生息しており、虫歯と歯周病に大きく影響してきます。

特にこの細菌の中には、歯周病菌が多く含まれるため、磨き残しを放置していると歯茎が炎症し、歯を支える周囲の骨などを溶かしていき、歯周病となっていきます。

 

プラークは石灰化して”歯石”になる。

 

磨き残しのプラークは、2日くらいで石灰化して、硬い”歯石”になります。

歯石になると歯ブラシでは落とすことができず、歯科医院の専用の機械で落とさなければいけません。

歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯ブラシの届かない所で増殖し活発に働くため、歯周病の進行により拍車をかけます。

 

歯磨きは大人でも難しい……

 

歯磨きは大人でもとても難しく練習がいります。

1日2回2分磨いていた患者さんのお口を染め出しした結果を紹介します。

青や赤に濃く染まっている部分が、磨き残しになってしまっている部分です。

 

こちらの患者さんは歯磨きをしっかりとされていたのですが、歯磨きの圧が弱く、毛先が思うように歯面に当たっていなかったことが原因で、磨き残しができていました。

 

また、こちらの患者さんは、毎日使用して頂いているフロスの使い方が、間違っており、歯間にとても磨き残しが多くなっていました。

 

自分ではしっかりと歯磨きをしているつもりでも実際はなかなか隅々まで磨けていない人がほとんどです。自分はどうなのだろうと不安に感じたら歯医者さんでチェックをしてもらいアドバイスをもらいましょう。

 

(うずら歯科医院/野尻真里先生)